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雪音 Yukine

泉郷に位置するこの住宅は、以前のオーナーにより非常に良い状態に保たれていたと同時に、独自のテイストによるディテールが施されていた。 アジアの都市部で過ごす施主からTAIGAへの要望は、良い状態の素材を生かしつつ、彼らのニセコでの別荘として新しいスタートを切ること、および、旅館としての必要な設備、であった。

TAIGAの改修コンセプトは、オリジナルを最大限に生かしながら、新しい用途へ最適化することである。既存の平面計画、素材や機器類を精査し、作成した提案は玄関スペースから、キッチン周辺および寝室、バスルームとインテリア全般に及んだ。

特に、建物の規模に対して極端に小さく、細かく仕切られていた玄関スペースを開放し、リゾート地への到着にふさわしい空間とした。次に、日本の住宅の典型ともいえる、裏側に隠れたようなキッチンをリビング、ダイニングとつなぎ、同時に裏庭への窓を追加し、自然光を取り込むことにより、一体化した快適なキッチンスペースとした。それぞれの寝室およびバスルームは、特徴的な仕上げ(フィーチャーウォール)を施し、遊び心を加えたウォールペーパーも試みた。また、家の中心となるリビングルームは、基本的なレイアウトは変えることなく暖炉と階段をモダンなデザインとし全体の整合性を心がけた。

一方で、フローリング、ドアやシンクカウンターなどは既存の素材を再利用し、既存のキッチンカウンターは、木製バーカウンターとして活用されている。

濃い茶色系の外壁が多用される泉郷で、黄色の外観はそのまま残され、暖かい赤系の玄関ドアとともに、激しい吹雪の日でも訪問者を暖かく迎え入れる。

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